SAMBO -山武ボランティア協会-

体験談, 定例会 N先生の脳梗塞入院体験談

トイレから出ようとドアノブに手を掛けたその時、N先生の左手に異変が起きた。

午後11時頃、N先生はいつものように晩酌を楽しみ、今日も1日を終わろうとしていた。
たまたま掛かってきた息子の電話にでて、しばし談笑したあと、寝る前にトイレへ向かう。
さてトイレを出ようとドアノブに手を掛けた時、ふと違和感に気づいた。
うまくドアノブを握れないのだ。

ドアノブ

この時、小松先生の体験談がN先生の脳裏に過ぎる。以前、小松先生が脳梗塞になった時に自販機で小銭を拾おうとしたら拾えなかったと体験談を語っていた。この症状は脳梗塞ではないかと気づく。「救急車を呼んでくれ!」N先生はすぐに女房に声を掛けた。

119番をして、じきに救急車がやって来た。しかし深夜、案の定どこの病院も満床である。手当たり次第病院を探す救急隊員。幸いいくつか病院が見つかった。
「K病院が空いているようです」と救急隊員が候補をあげる。そこはちょっと評判が悪い病院であった。N先生はこんな状態でも意識がハッキリしていて、すかさず隊員に「K病院は何科の先生がいますかね?」と尋ねる。どうやら内科の先生しかいないとの事であった。それでは脳の病気は診れないではないか。病人ながらN先生ははっきりとした意思で隊員に告げる「別の病院にしてくれ」と。
他の病院を探すと脳外科医がいるT病院が見つかった。そのまま入院となる。

病院に着き、すぐにCTで脳の画像検査が行われ、ICU(集中治療室)へと搬入された。
CTの検査では脳血管の一部が繋がってないのが見てとれた。この時N先生は半身麻痺になるのを覚悟する。

ICUでは鼻カニューレ(鼻につける酸素チューブ)を装着させられた。どうもパルスオキシメーターで計ったところSpO2(血中酸素)が92%と低くなっているようだ。
(健常者は96%以上が通常です。福祉施設で働いていた頃、常に80%代まで低下する方がいました…恐ろしい)
時期に食事の時間が来て、さぁ食べようかと酸素マスクを外すと、とたんに左手の痺れが酷くなる。
脳の感覚と手の感覚がズレるようで、目を閉じて両手を水平に伸ばすと左腕だけ下がってしまうという。

脳梗塞の治療というと、特に外科的な処置はほとんどしないようだ。
脳梗塞の急性期の治療は主に薬による内科的な治療が一般的で「血液の固まりを溶かす」「脳を保護する」といった作用の薬を内服する。
入院して数日、再度CTスキャンを実施すると前回の検査では繋がっていなかった脳血管に別のバイパスが出来ていた。

その後は次第に回復していったという。

本日は普段通りの様子でSAMBOに来られていたので、まさかそんな大病であったとは思いもよらなかった。
N先生はとても生命力の強い方なのだと思う。

異変を感じたらすぐに救急車を呼ぶべし

N先生よりも1日早く入院してきたAさんという方がいたそうだ。
Aさんは当初N先生よりも症状が軽かったため、自身で車を運転し市内某病院へ診察を受けに来ていた。
午前中に受付をしたところ、「専門医がいないのでちょっと待っていてくれ」と言われたという。
しかし、待てども待てども順番が回ってこず、ようやく診察を受けた時には夕方になっていた。
挙句、うちの病院では診れないからと、N先生の病院へと回されてきた。
最終的には重い障害が残ったという。

手足の痺れ、呂律が回らない、そんな症状を感じたらすぐに119番して救急車を呼ぶべきである。